アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスを見たら

 

アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスを見たら、

『2つの腎臓、2つの腸管、2つの代償後、+トルエン』

 

を考えます。

 

 

 

何それ?って感じですよね(笑)

 

 

 

私は、こういうビシッとした台詞が大好きです。

 

後輩に教育するときとか、ちょっとカッコいいし、

そして何より印象に残るので。

 

 

『代謝性アルカローシスを見たら、尿のクロールを測定する』

『AG上昇の代謝性アシドーシスをみたら、3+1を考える』

 

 

というように

 

 

アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスを見たら、

2つの腎臓、2つの腸管、2つの代償後、+トルエンを考える

 

 

 

じゃあそれぞれ何かっていうと。

 

アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスっていうのは、

『酸を外に出せず、H+と、HCO3-がくっつくのでHCO3が減る』か

『HCO3が体から出て行ってしまう』

どちらかの状態のことです。

 

 

 

酸を外に出せない(腎臓で出せない)

HCO3が出てってしまう(腸管から出てしまう)

 

 

 

 

2つの腸管

・下痢

・膀胱直腸

 

2つの腎臓

・腎不全

・尿細管性アシドーシス(RTA)

 

2つの代償後

・呼吸性アルカローシスの改善後

・ケトアシドーシスの治療中

 

 

腸管は、HCO3が出てってしまう病態ですね!

腎臓は、酸の排泄障害です。

 

 

 

 

では、代償はどうでしょう。(基本的にはすっとばしてください)

以前にちらっと、アニオンギャップが増えるときの考え方

お話しました。

 

 

乳酸とか、ケトンとかは、

H+と、測定されない陰イオンに分かれます。

このH+が、HCO3と中和します。

 

 

わかりにくいときは

アニオンギャップの分、HCO3が下がるというイメージで居てください。

 

 

その、ケトンとかが尿で直接出て行くと、その分の隙間は

HCO3とClで補おうとします。

Clはすぐに増やせますが、HCO3は中々増えないため、2~3日は

高Cl性のアシドーシス(=アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシス)となります

 

 

ながながと話しましたが、補正後は言葉だけ知っておけば良いです。

ただの、豆知識なので。

 

 

 

 

 

大切なのはトルエンです。

image

 

トルエンの分解過程で、H+を作りAG上昇の代謝性アシドーシスをきたし

すぐに尿から排出するため、アニオンギャップ正常代謝性アシドーシスをきたします。

そして、尿のNa、K排出を促進し、低Kになります。

 

機序はさておき

トルエン中毒では

AG上昇代謝性アシドーシス+AG正常代謝性アシドーシス+低カリウム血症という

めずらしい組み合わせを呈することがあります。

 

 

覚えておきましょう^^

 

なので、この患者では

下痢はないので、

RTAか、トルエン中毒の可能性がありますね。

 

では、次のステップに行きましょう

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