代謝性アルカローシスで、なぜ尿中のクロールなのか

 

これは、代謝性アルカローシスのときに、

 

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の判断のために、測っているのです!!!

 

少しずつ解説をします♪

 

代謝性アルカローシスになるとき、というのは

HCO3が増えるとき。すなわち

①HCO3の過剰負荷(薬や点滴などで)のときか、

②酸が、過剰に排泄されるとき(H+を分泌してしまう病気、アルドステロン作用の亢進等)

この2つは何となくイメージつきますよね?

 

では、これは?

③循環血液量が減少したとき!

しかし、循環血液量減少って、機序がよくわからない!

だから意味がよくわからない!!

そんな声が、タイガφにも、よく聞こえてきます。

 

 

順序良くいきましょう!

まず、嘔吐や、循環血液量減少、利尿剤でアルカローシスはおこります。

嘔吐と下痢は、何が違うでしょうか?

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出て行く体液に、HCO3が多いか少ないか

下痢はHCO3が多いですよね。

嘔吐は、HCl(胃酸)というイメージです。HCO3はあまり出て行きません!

 

体の中の、HCO3は24mEq/Lです。

20Lの体液のある人を想像してみてください。

そのとき、HCO3は、合計して480mEqあるわけです。

 

ここから、HCO3をまったく含まない体液を、5L排出したとしたら、

480mEqのHCO3が、15Lの中に入っている計算になります

すると、480/15=32mEq/Lの濃度で、HCO3があることになります。

 

これが、嘔吐や、循環血液量減少の代謝性アルカローシスの覚えやすい考え方です。

 

 

では、次に、なぜ尿のClなのか。

それは、はじめにもお伝えしました、

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の参考にするためです!

普段

尿のナトリウム排泄を

循環血液量減少や、

腎前性腎不全の参考として、みることがあります。

 

体液量が少なくなると、ナトリウムを尿から出さないように、

頑張ってナトリウムの再吸収が起こり

尿からのナトリウムの排泄は少なくなります。

 

なので、尿中ナトリウムは、少なくなります。

 

この時、尿のナトリウムと、尿のクロールは、同じように動きます。

本来なら、どちらを指標にしても良いのですが、

ナトリウムで指標にすることが多かったのです。

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代謝性アルカローシスのときは、話が別です!

 

尿では、陽イオンと陰イオンは同じバランスで排出する必要があります。

つまり、HCO3-が多ければ、その分の陽イオン(Na、K)が必要となります。

(本当にへたくそな)図式をすると

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なので、循環血液量が少なくても、尿のナトリウム排泄は多いことがある

 

そのために、そういった影響をうけない、尿のクロールを参考にします

尿クロールが少なければ、循環血液量減少ということになります♪

 

OK?ということで、

尿のクロールが>20か、<20か、調べましょう!ってことです♪

 

問題文の患者さんは、測定したところ、尿クロールは38と高値でした。

 

そのため、尿クロールが>20となり、循環血漿量減少や嘔吐ではなく、代謝性アルカローシスになる病態(アルドステロン作用の亢進やマグネシウム欠乏などの機序が疑われる)が隠れていることが疑われました。

 

尿クロールが>20以上になるのは、セイントとフランシスという教科書にも書いてありますが、ABCDと覚えると楽です。

A:アルドステロン作用の亢進(Aldosteron 原発性アルドステロン症など)
B:Barter症候群や利尿剤
C:Cushing(ミネラルコルチコイド作用・甘草のグリチルリチン作用もここ)
D:Depletion of Mg(マグネシウム欠乏)

 

です。これらの病態では、尿クロール>20以上の、代謝性アルカローシスを起こします。

そこで、Mgの測定や、血圧によりレニン活性・アルドステロンなどを測定します。また、それに特化した問診をしましょう!

 

 

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